引っ越しの時期や事情によっては、年賀状で引っ越し報告をしたいと考えることもあるでしょう。
転居の挨拶状をあらためて送らず年賀状で兼ねる場合、具体的にどんな書き方をすればよいのでしょうか?基本的な構成や内容、ケースごとのおすすめ文例をご紹介します。
年賀状で引っ越し報告を兼ねてもいいの?
多くの方は引っ越しをしたことを知人や友人に挨拶状を送って知らせます。
もしそれが年賀状を準備する時期と重なっていたとしたら、どうでしょうか?年賀状で引っ越し報告も兼ねて送れるのならそうしたい、と思うのも当たり前かもしれませんね。
引っ越し報告の時期は1ヶ月以内が望ましい
本来、転居の挨拶状を送る時期としては、引っ越し後1ヶ月以内までが望ましいとされています。相手が郵便物の宛名に旧住所を書くといった行き違いがないよう、引っ越しを済ませたら、なるべく早い時期に挨拶状の手配もしておきたいものですね。
新居を建てるなど早くから予定が決まっているのなら、引っ越す予定日や新しい住所を前もって知らせておくと親切ですよ。
しかしそうと分かっていても、引っ越しは荷造りや荷解き、さまざまな手続きなどで手間がかかることが多いもの。年末のバタバタする時期と重なれば、すみやかに転居の挨拶状を送れないこともあると思います。
11月~2月の引越しなら年賀状で報告してもOK
上記のような事情によっては無理をせず、引っ越し報告を兼ねた内容で年賀状を作成しても大丈夫です。特にマナーに反しているわけではありません。
ただ、引っ越し報告の理想的な時期と考え合わせると、相手に違和感なく受け取ってもらえるのは11月や12月に引っ越しをした場合。あるいは1月~2月に引っ越しの予定を組んでいる場合でしょう。
つまり目安としては、引っ越し時期が11月から翌年の2月までにあたるケースということになります。
ほかの時期に引っ越しをした場合は、年賀状とは別に挨拶状を送った方がよさそうです。その方が相手の印象も良いですよ。
引っ越し報告を兼ねる年賀状のおすすめ文例
では、引っ越し報告を兼ねる年賀状には、具体的にどんな内容を入れるとよいのでしょうか?全体の構成や書く要素は、次のようなものです。
●賀詞
●新年の挨拶
●引っ越しの報告
●引っ越しの時期や理由
●来訪を歓迎する言葉など
●新住所
お正月に届く年賀状なので、第一の目的は新年のご挨拶です。引っ越し報告の方が主とならないよう気を付けながら、賀詞と新年の挨拶文を忘れずに入れてくださいね。
賀詞のあとの挨拶文は、それぞれの状況や理由によって違ってきます。以下にケースごとのおすすめ文例を挙げてみました。
おすすめ文例:一般的な引っ越し
引越しにはさまざまな背景が想定されます。それぞれの状況に合うものを選んで参考にしてくださいね。
新居完成
昨年中は大変お世話になりました
本年もどうぞよろしくお願いいたします
なお ○月にマイホームが完成し
左記住所に転居いたしました
お近くへお越しの際は ぜひお立ち寄りくださいね
結婚
結婚し二人で初めてのお正月を迎えます
左記住所にて笑顔いっぱいの家庭を築いていきたいと思っています
今後もご指導のほど どうぞよろしくお願いいたします
お近くにお越しの際は ぜひお立ち寄りください
出産
新しい家族が増えたことをきっかけに
昨年○月 左記住所に引っ越しました
少し広くなった部屋で にぎやかな新年を迎えております
こちらへお越しの節は ぜひ遊びにいらしてください
進路の決定
昨年はいろいろとお世話になり 誠にありがとうございました
このたび進学先(就職先)が決まり
左記住所へと転居することとなりました
まだまだ未熟な点が多いかと思いますが
今後ともご指導のほど よろしくお願い申し上げます
おすすめ文例:ビジネス関係
ビジネスの関係でも引っ越しのタイミングによっては、年賀状での報告となってもOKです。ですが、確実に情報を伝えたい方や礼儀を重視する方には、あらためて転居の挨拶状も送ると丁寧ですよ。
転勤
旧年中は一方ならぬご厚情を賜り 心よりお礼を申し上げます
このたび異動にともない 左記へ転居いたしました
今後とも 変わらぬお付き合いをお願い申し上げます
単身赴任
昨年は格別なご指導を賜り 誠にありがとうございました
○月に転勤となり 左記に転居いたしました
子どもの環境を考え 単身赴任となりましたが
新たな土地での生活にもようやく慣れてきたところです
こちらの方面へ旅行の機会などあれば ぜひご連絡ください
事務所移転
旧年中は格別のお引き立てを賜り 厚くお礼を申し上げます
このたび当社では事務所を左記住所へ移転し
新年○日から営業を開始いたします
今後とも 何卒ご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げます
おすすめ文例:離婚
離婚をきっかけとした引っ越しの場合は、本人の心情として詳細を書きづらいかもしれません。また年賀状には「離」という語を避けたいものです。挨拶文はいつもの年賀状と同様にし、住所表記の近くにさりげなく追記するとよいでしょう。以下のような一言を書き加えると事情を察してもらえますし、前向きな気分が伝わるのではないでしょうか。
・このたび旧姓に戻り 心新たに再出発することにいたしました
・こちらの住所で母子○人 新たな道を歩んでいくことにしました
おすすめ文例:引っ越し予定のお知らせ
翌年の1月から2月にかけて引っ越しの予定がある場合、年賀状の住所表記は新しい方にしておきます。転居する理由や時期を入れながら以下のように付け加えます。
2月に新居が完成する予定です
その際はぜひ遊びにいらしてくださいね
○○へ異動することとなり 2月には左記へ転居します
旅行や出張の際には ぜひご連絡ください
年賀状で引っ越し報告をするときのポイントは?
いつもの年賀状と違い、新年の挨拶と引っ越しの報告という2つの目的を果たす必要があります。もちろん新年の挨拶をおろそかにするわけにはいきませんが、引っ越し報告の方もきちんと伝わらなければ意味がありません。
多くの年賀状を目にする相手にすみやかに意図を伝えるには、以下の2つがポイントとなります。
引っ越しをテーマにしたデザイン
通信面のデザインに、引越しとすぐにわかるようなものを選びます。あるいは、新居の外観やお気に入りのインテリアなどを撮影し、写真を挿入するのもわかりやすいと思いますよ。
住所に目をひく工夫をプラス
デザインにお正月や新年のイメージを使用したいのなら、住所の表記を工夫します。差出人住所の部分に「転居先」「新住所」といった表記を加えると、相手の目に留めてもらいやすいのではないでしょうか。
▼引っ越し報告にオススメのデザイン▼
適切な挨拶文やデザインで引っ越しを上手に伝えよう
引っ越しをした際の挨拶状は、一般的には1ヶ月以内に送るのがよいと考えられています。
ですが、事情やタイミングによっては年賀状で引っ越し報告をしてもOKです。時期としては11月から2月までの引越しが該当します。
年賀状で引っ越し報告を兼ねる場合、新年の挨拶を入れることを忘れないよう気を付けながら、それぞれの引っ越しの理由や状況に合った文を書くようにします。
デザインや住所表記を工夫するといったポイントを押さえると、引っ越しをしたこともスマートに伝えられますよ。
▼引っ越した新住所で年賀状を受け取るには?▼