自然災害に遭われたり病気療養中であったり、お祝い気分とはほど遠い状況という方もいらっしゃるかもしれませんね。そんな時は、年賀状を送ってよいものか迷ってしまいます。
送るとすればどのような文面にすればよいのか、文例と合わせてお伝えしていきます。
目次
年賀状の基本マナー
年賀状は、新年を迎えるにあたり日頃お世話になっている人へ送る挨拶状です。年賀状を送るということは、新しい年を祝い、日頃のお付き合いへの感謝を伝えるという意味を持っています。
古くは平安時代に行われていた年始回りという行いが、郵便制度の整った近代に年賀状という形へと転じて広まり、現代でもお正月のよき習慣として続けられています。
一年の始まりであるお正月には縁起をかつぎたい、という人も多いものです。年賀状でも、次のようなことが基本的なマナーとされています。
通常年賀状の文面は、お祝いの意を表す「賀詞」、感謝や挨拶を文に記す「添え書き」、「年号」で構成されています。
賀詞では1、2文字のものも見かけますが、短縮された形となるので、目上の相手には避けた方がよいようです。
また、添え書きでは、「、」「。」の代わりによくスペースなどが使われています。句読点が切れ目となり、お祝い時にはふさわしくないから、というのが理由のようですね。
親しい友人や親戚に永らく会えていない方も多いはず。そんな時こそ新年のご挨拶を年賀状で、とお考えの方もおられるのではないでしょうか。
でもその一方で、災害や病気、療養中の方などお祝い気分と言いにくい状況では、年賀状をどのようにすればよいのでしょうか。その考え方や送る場合の文例をご紹介します。
自分が被災者や病気療養中である場合の年賀状
地震や豪雨などの自然災害にみまわれたり病気や怪我の療養中であったり、自分がそんな立場にある場合の年賀状はどうすべきなのでしょうか?
被災や療養中の報告は寒中見舞いや手紙など別の機会に
年賀状を出すこと自体に迷いを感じるかもしれませんが、喪中というわけではないので、送ることを控えなくても大丈夫です。
もし自分自身に年賀状を作成する余裕があるのなら、いつも通りに送るとよいですね。普段会う機会のない人や遠方の相手にも喜んでもらえるのではないでしょうか。
ただ、添え書きでは、被災や療養中であることを直接的な言葉で表すのは避け、例年と変わらない一言にするのが無難です。
まだ自分自身の状況を報告していない人に対して送る場合、年賀状はちょうどよい機会、と感じるかもしれません。
ですが、年賀状では「去る」「病む」「衰える」「絶える」「終わる」「倒れる」といったマイナスイメージの語は、忌み言葉として避けるものとされています。
また、添え書きには慶び事でない内容を書かない方がよいと考える人もいます。
こういった理由から、相手にお知らせしたい場合は寒中見舞いや手紙など別の機会を設けることをおすすめします。寒中見舞いを出すのは、松の内(1月1~7日)があけてから立春までが目安です。
寒中見舞いのマナーについてはこちら▼
病気療養中や被災者側から出す年賀状に関する添え書き参考文例
また、被災や療養中であることが既に伝わっている相手に出す場合も、先方のお祝いムードを壊さないような添え書きにするのがおすすめです。
感謝の言葉や今後の希望など、できるだけ明るい話題や前向きな内容を届けると、安心してもらえるのではないでしょうか。
「今年はお会いしたいです」というような言葉もプラスして近況を伝えてみましょう。
・昨年はいろいろお心遣いありがとうございました
今年はお互い素敵な年になりますように!
・皆様には励ましとお力添えいただき 心より感謝いたします
ご健康とご多幸をお祈りいたします
・旧年中は格別のご厚情を賜り 深く感謝申し上げます
復興に向け いっそうの努力を続けていく所存です
・昨年は何かとお気遣いいただき 本当にありがたく勇気づけられました
●●さんにも穏やかな一年でありますようお祈りいたします
・旧年中のご支援とご配慮 まことにありがとうございました
明るい未来に向けて進んでまいります
どうしてもお祝い気分になれない場合は年賀状を出さないという選択肢も
災害の記憶がまだ新しく、現実として「おめでとう」という気分になれない場合もあると思います。また、療養中である身内の病状によっては、年賀状を用意すること自体に抵抗があるかもしれません。
そんな場合は割り切って欠礼するのも選択肢の1つです。自分の生活や気持ちを大事にし、現在の状況を乗り切ることを優先してはどうでしょうか。
時が過ぎ心身ともに落ち着いてきて、もし余裕があるなら、届いた年賀状には寒中見舞いで返すとよいですね。
寒中見舞いで返事を出す場合の添え書き文例をご紹介します。
・ご丁寧なご挨拶 まことにありがとうございました ・ 新春のお年始状をいただき ありがたく存じます ・本年も変わらぬお付き合いをよろしくお願い申し上げます |
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相手が被災者や病気療養中である場合の年賀状
相手への配慮としては、賀詞を使わない文面にするというのが1つの方法です。
代表的な賀詞は「あけましておめでとう」「賀正」「謹賀新年」「初春のお慶びを申し上げます」といったもの。こういった賀詞が目に触れると、被災や病気の程度によっては「おめでたい気分じゃないのに…」という気持ちになるかもしれません。
この賀詞を避け、代わりとして書けるのが次のような挨拶文です。
・謹んで新年のご挨拶を申し上げます ・一陽来復 ・初春のご挨拶を申し上げます ・佳き年になりますように ・心おだやかな1年でありますように |
病気療養中や被災された人に出す年賀状の添え書き参考文例
添え書きでは、例え善意から出たものであっても、「がんばって」「前向きになって」という言葉を使うと、重荷に感じられる人もいます。
ダイレクトな励ましの言葉ではなく、災害見舞や病気見舞など、さりげない気遣いの一言を加えると、相手に負担なく温かな気持ちが届けられるのではないでしょうか。
・衷心よりお見舞い申し上げます ・謹んで年頭のご挨拶を申し上げます ・謹んで新年のご挨拶を申し上げます |
先方の状況や心情に思いを馳せながら選んだメッセージは、相手の心にもきっと響くはずです。
賀詞を使わないデザインを扱う印刷会社も
年賀状のデザインでも、賀詞を使わないものを取り扱っているお店もあるので、利用してみるのもよいですよ。
おたより本舗
おたより本舗では、「心温まる希望デザイン」というカテゴリが。相手を思いやったぬくもり感のあるデザインが用意されています。
相手を思う気持ちは年賀状で届けられる
自身が被災や病気療養のさなかに年賀状を出す場合、先方のお祝いムードに水を差さないように配慮できるとよいですね。
もし、プラスの状況を伝えられるなら、相手を安心させられます。
とても年賀状を送る余裕がないという状況であれば、出さないという選択肢もあります。年賀状が届いた後に心身が落ち着いてきたなら、寒中見舞いでお返ししてもよいですね。
また、相手側が被災者や病気療養中であるなら、賀詞を使わない年始状にするのがおすすめです。相手の状況を考えつつ言葉を選べば、きっと温かな思いを届けられる年賀状になるでしょう。
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