喪中はがきが届いたら、どうしますか?年賀状を出さない方が良いことはわかりますが、何の挨拶もしないのは失礼なような……。そんな時に使えるのが「喪中見舞い」や「寒中見舞い」です。喪中見舞いは寒中見舞いとどう違うのか?意味や文例、送るタイミングについてご紹介します。
目次
近年広まっている「喪中見舞い」とはどんなもの?
喪中見舞いの使い方と出す時期
昨今広まってきている喪中見舞いとは、喪中の相手に対しお悔やみの気持ちを伝えるものです。
その年喪に服している人は、年賀状を出せないため、11月中頃から12月にかけて喪中はがきを送ります。その喪中はがきを受け取った人が返信として出すのが「喪中見舞い」です。年賀状を控えることを了承したという意味合いや相手への気遣いの言葉をすみやかに届けるためにも、喪中はがきが到着してからなるべく早めに出すのがようです。
「喪中はがき」詳しくはコチラへ▼
喪中見舞いの書き方(文例)
喪中見舞いをこれまで送ったことがないという場合は、どんなことを書けばよいのか迷うかもしれませんね。
喪中見舞いの構成としては、一般的な手紙のような拝啓・敬具といった語は用いず、「喪中お見舞い申し上げます」という言葉の後に以下のような内容を続けます。
・挨拶状(喪中はがき)のお礼
・お悔やみの言葉
・相手への気遣いの言葉
そして、最後の部分に日付を入れます。
これに加え、こちら側も年賀状を遠慮するという文を入れてもよいですね。
また、相手との関係によっては、喪中はがきが届く前に訃報を知っていたという場合も喪中はがきで初めて知ったという場合もあるかと思います。後者では、「訃報を知らずにいて申し訳ない」というお詫びの言葉も入れると丁寧です。
忌み言葉(不幸や別れを連想させる言葉・重ね言葉)は使わないように気をつけてくださいね。
忌み言葉をチェックできるサイトはこちら
>https://craftmovie.jp/imikotoba/
それぞれのパターンごとに文例を紹介しますので、参考にしてください。
【参考文例】訃報を知っていた場合
ご丁寧なご挨拶状をいただき 誠にありがとうございます
●月に●●様がご逝去されて
悲しみはいかばかりかと案じております
少しずつでもご家族様の寂しさが和らぎ
穏やかな新年が迎えられるよう 心よりお祈り申し上げます
このたびはご丁寧なご挨拶状をありがとうございます
●●様が亡くなられて ●カ月になりますね
ご家族が一人かけ さぞかしお寂しいご越年であると お察し申し上げます
服喪中と存じ 年頭のご挨拶を控えさせていただきます
時節柄 お体大切にお過ごしください
【参考文例】訃報を知らなかった場合
ご丁寧なご挨拶状を ありがとうございます
おはがきにて●●様が亡くなられたことを知り とても驚いております
お悔やみも申し上げられませんでしたこと お許しください
謹んで●●様のご冥福を心よりお祈り申し上げます
寒さも増す時期ですので どうかご自愛ください
このたびはご丁寧なご挨拶状を頂き ありがたく存じます
ご逝去の由を存じ上げす 誠に失礼いたしました
遅ればせながら 心よりお悔やみ申し上げます
ご服喪中により 年始のご挨拶は控えさせていただきます
家族の皆様にはお力落としのことと存じますが
お体大切に 穏やかな新春をお迎えになられますよう お祈りいたします
どちらも喪中の人に送れる「喪中見舞い」と「寒中見舞い」!その違いとは?
一方、喪中の人に送る便りとして寒中見舞いを用いることもありますね。喪中見舞いは、以前からある寒中見舞いとはどう違うのでしょうか?
喪中見舞いと寒中見舞いは送る時期が異なる
喪中見舞いと寒中見舞いとのハッキリした違いは、送る時期です。
喪中見舞いは、知人や友人から喪中はがきが届いたら、あまり間を置かずに送ります。喪中はがきが用意されるのは11月中旬から12月上旬なので、喪中見舞いを返すタイミングははがきの届いた11月中頃から12月、遅くとも年末までです。
一方、寒中見舞いは、暦の上で松の内が明けた頃(1月7日頃)から立春(2月4日頃)までに送るのが習慣となっています。
喪中はがきで訃報を知り、すぐにでもお悔やみの心を伝えたい場合は、喪中見舞いという形を取るのがおすすめです。
目的が1つの喪中見舞いと利用シーンの多い寒中見舞い
寒中見舞いをこの時期に送るのは、もともとは寒い時期に相手のことを気遣う「季節の挨拶」という意味合いがあるからです。もちろん喪中の人に送る場合もありますが、それだけが目的ではないのですね。
時期的に年賀状の代わりに送ることもでき、逆に喪中の側からも送ることができます。
また、喪中というわけではなくても、新年という祝賀気分からほど遠い場合もあると思います。例えば、大きな自然災害に遭ったり自分や家族が病気療養中であったりする場合です。それから、単純に年賀状の送付が遅れてしまった時にも活用できます。
喪中の人へ寒中見舞いを送るのは、幅広い利用シーンの1つというわけですね。喪中の相手だけが対象となる喪中見舞いとは、そこが違います。
はがきの種類 | 出す時期 | 出す相手・用途 |
喪中見舞い | 喪中はがきを受け取ったら早めに | 喪中の方 |
寒中見舞い | 1月7日頃~2月4日ごろ | 喪中の方年賀状の代用として季節(厳寒期)の挨拶として |
寒中見舞いについてのマナーなどはこちら▼
急速な広まりの理由と昨今の喪中見舞い事情
家族葬が広まる現在の葬儀事情
喪中見舞いという形が世間に受け入れられ、急速に広まってきた理由としては、葬儀の簡略化が進んでいることが背景にあります。
近年、家族の誰かが亡くなっても、大人数が集まる一般葬ではなく家族葬で済ませるというケースが増えてきました。家族が亡くなった事実を広く知らせないことも多いようです。
そのため、訃報に初めて触れるのが喪中はがきで、ということも珍しくないようですね。
葬儀を知らず参列できなかった人の「一刻も早くお悔やみの気持ちを伝えたい」「寒中見舞いを待てない」という気持ちから、喪中見舞いを送るスタイルが浸透していったのでしょう。
葬儀との時間差や家族の意向を考えると、あらためてお香典を送るかどうかは悩ましいところですが、喪中見舞いという方法なら相手に負担をかけないという意味でも最適です。
喪中見舞いに添えれる贈答用お線香
お便りだけでなく、花やお線香などの品物を喪中見舞いとして送ることもあります。
この場合も、ご家族への労わりや気遣いの言葉を品物に添えるとよいですね。
喪中見舞いとお線香を贈れる日本香堂
>https://www.nipponkodo.co.jp/inori/mochu/
参考文例を挙げておきます。
【参考文例】
ご訃報に接し 家族一同驚いております
遅ればせながら 心よりお悔やみ申し上げます
心ばかりのお線香をお送りいたしますので どうかお供えください
喪中はがきにより ●●様のご逝去を知りました
遅くなりましたが お好きだったお花をお供えいただければと思います
遠方よりご冥福をお祈り申し上げます
すぐにお悔やみの気持ちを伝えたいなら喪中見舞いを
喪中見舞いと寒中見舞いはどちらも喪中の人に送れるお便りです。
寒中見舞いは1月7日頃から2月4日頃までと、送るのに適した期間があるのに対し、喪中見舞いは喪中はがきが届き次第すぐに対応できます。
そのため、喪中見舞いの方は、お悔やみや気遣いの言葉を少しでも早く伝えたいという場合に適した良い方法です。
特に、訃報を知らなかった場合は、喪中見舞いで早めに挨拶をしたいものですね。